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熱解析(熱流体解析)とは?熱解析が必要な理由やできることを詳しく解説

2022.07.13 2022.07.13 更新

製品の安全性や性能を担保・保証するために、CAE解析を導入する企業は非常に増えています。例えば、自動車や電子部品などさまざまな製品のシミュレーションを行う際に使われているツールです。

 

CAE解析でできることは多岐にわたりますが、その中のひとつに熱解析を挙げることができます。担当者の中には、熱解析の基礎知識などを押さえておきたいという方もいるのではないでしょうか。

 

今回は、熱解析に焦点を合わせて基礎知識や必要な理由、具体的に何ができるのかを解説しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

 

 

熱解析とは?基礎知識を把握しよう

熱解析とは、熱の移動によって製品の温度分布状態や熱応力を調べる手法です。具体的には、下記に該当する部分の変化を調べます。

 

  • 温度
  • 質量
  • 体積
  • 剛性
  • 物性
  • 寸法

 

簡単に言えば、熱の移動によって製品の温度がどのぐらい高くなるのか、それによって与える影響はどのようなものなのかを調べられるというわけです。

 

例えば、パソコンの熱は不具合や故障を引き起こす原因になるため、熱が逃げるように設計を考えなければなりません。このような際に熱解析を利用することで熱が集中する箇所やそれによって電子部品に与える影響などを知ることができるので、設計の際に役立つというわけです。

 

ちなみに、CAE解析を使用して行う場合、さまざまな材質に対応することができます。例えば、プラスチックはもちろんのこと、炭素鋼やアルミ、コンクリートなども可能です。また、好みの外気温を設定できるため、外気温を高温に設定して熱が内側へ移動する環境を構築することもできます。さらに、3DCADデータをインポートできるため、既存のCADデータを活用することも容易です。

 

 

最適な設計のために熱解析が必要な6つの理由

次に、なぜ最適な設計を行うために熱解析が必要なのかについて解説します。それぞれの理由について詳しくご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

 

測定できない部品の温度把握

1つ目は、測定できない部分の温度を把握できることです。

 

現在は、小型な製品が主流で電子機器などあらゆるものが小型化されています。携帯電話やテレビ、パソコンなど私達の身近なところでも小型製品は非常に多くなりました。

 

一方、小型の製品は細かい温度計測がしづらくコンピューターを使用した熱解析を使用しないと難しいです。製品の動作を保証するために、細かい部分の温度測定は必要不可欠になるため、熱解析は設計工程においてもとても重要になります。

 

試験できない環境を構築できる

2つ目は、試験を行いたい環境を構築した上で解析することができるからです。

 

熱解析は製品の温度測定だけでなく、試験環境を自由に設定することができます。例えば、高温や無風の状態などです。あらゆる環境を想定して製品設計を検証することができるので、必要性が高いといえます。

 

熱移動を可視化するため

3つ目は、熱移動を可視化するためです。

 

熱解析を使用することで空気や熱の流れをコンピューター上で確認することができます。実際に目で確認できることで分析がしやすくなったり、対策を立てやすかったりするので必要性が高い理由のひとつです。

 

複数の設計案から最適なものを選択するため

4つ目は、複数の設計案から自社に合ったものを選ぶためです。

 

設計案は開発工程の中でも非常に重要で下流工程まで影響を与えます。そのため、複数の中から慎重に選びたいと思われる担当者も少なくないでしょう。

 

熱解析を利用すれば、わかりやすい設計案を迅速に作成することができます。これにより、複数の候補を確保しやすいので、より慎重な判断をすることが可能になるでしょう。

 

定量的かつ論理的な議論ができるため

5つ目の理由は、定量的かつ論理的な議論を行うためです。

 

現象の見える化によって現象を定量的に把握することができます。これにより、製品がより良くなるための議論をしやすくなるでしょう。

 

数値情報を効率的に収集するため

6つ目は数値情報を効率的に収集するためです。

 

熱解析を利用すれば、シミュレーションにより効率的な検証、数値収集が可能になります。これにより、データの蓄積をスムーズに行うことができたり、情報を継承しやすかったりするという点が魅力です。また、設計根拠も明確に示すことができるため、顧客が納得できる説明をしやすいことも利点として挙げられるでしょう。

 

 

熱解析でできる3つのこと

次に、熱解析でできることを3つご紹介します。具体的に何ができるのか知りたいという方はぜひ参考にしてください。

 

固体内部の熱移動を確認できる

熱伝導を確認できます。

 

熱伝導とは、固体内部の高温箇所から低温箇所へ、熱が伝わる現象です。

 

固体-流体境界の熱移動を確認できる

熱伝達(対流)を確認できます。

 

熱伝達とは、固体表面と周囲の流体との間で、流れによって熱が伝わる現象です。

 

電磁波形式での熱移動を確認できる

熱放射(熱輻射)を確認できます。

 

熱放射とは、空間を通して高温物体から低温物体へ電磁波の形態で熱が伝わる現象です。

 

 

熱解析を導入する3つのメリット

最後に熱解析を導入することで得られる3つのメリットについてご紹介します。

 

試作コストの削減

1つ目は、試作コストの削減です。

 

熱解析を行うことによって試作品を使った試験を行う前にバーチャル上で設計を検証することができます。これにより開発期間を短縮することができたり、コストを削減したりすることが可能です。

 

結果的に、従業員へ働きやすい環境を提供することができるため、メリットを感じる方も少なくないでしょう。また、企業はコストを抑えた開発を実現することができるため、経営側にも大きな利点となります。

 

測定が難しい製品のデータを得ることができる

2つ目のメリットは、測定困難な製品の詳細なデータを得られることです。

 

実験では測定が難しい製品や検証自体が不可能なケースでも熱解析を利用すればデータを収集することができます。熱解析がなければ製品化が難しくなるため、魅力に感じる人は多いです。

 

合理的な説明をする際にデータが活かせる

3つ目のメリットは、合理的な説明ができることです。

 

製品のプレゼン等を行うとき、検証したデータを顧客に示しながら説明ができるので、客観的な製品紹介を実現することができます。また、熱の動きやイメージしづらい流れを視覚的に確認できるので、合理的な説明が可能です。

 

 

まとめ

今回は、熱解析の基礎知識や熱解析が必要な理由、できることなどについて詳しく解説しました。熱解析を行うことによって従来のやり方では必要だったコストや開発工程を削減することができます。従業員や企業経営にも大きなメリットを与えるので、まだ使用してない企業は、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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