材料試験の観察のみでは、物理現象の定量評価や一般化が難しく、メカニズムの解明や物理モデルの構築が難しいという問題があります。そのため、CAEを用いた複雑な解析による、物理量の定量評価が必要とされます。
しかしながら、有限要素法(FEM)による複雑な破壊現象の計算は困難であり、従来の粒子法も構造解析が苦手(手法の特徴上、精度や安定性)なため、この問題を解決できません。
一方、Peridynamicsは、構造解析に適した固体向けの粒子法です。Peridynamicsを用いることで、FEMでも粒子法でも出来ない、複雑な破壊現象のシミュレーションをご検討頂けます。
Peridynamicsとは、粒子法の一種で、固体のシミュレーションに適しています。
粒子法は、メッシュを使うことなく、粒子のみで物体をモデル化する手法です。粒子法といいましても多くの手法がありますが、一般的な粒子法は、連続体力学から派生してきました。そのため、構造解析では精度や安定性に不安があり、実問題へはあまり適用されてきませんでした。
Peridynamicsは一般的な粒子法とは異なり、分子動力学と連続体力学を組み合わせた手法で、両者の長所を兼ね備えております。構造解析への適用が可能なので、複雑な破壊現象のシミュレーションを得意としております。
FRP材の解析 | FRP製クラッシュボックスのような円筒形などの単純構造体では、側壁が内側と外側へ折れ曲がり、繊維破断や積層剥離などが連続的に進行する(プログレッシブ・クラッシング)。この破壊現象(層間剝離・繊維破断・座屈・くさび形成など)を、Peridynamicsによる解析で詳細に分析する。 |
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ガラスの解析 | 材料特性の複雑さ、内包する傷などから複雑な破壊形態が生まれる。ガラス破損時の安全性などから破壊形態そのものにも着目する必要がある。どのような破壊過程が生じるか、また、実験で観測しにくい物理パラメータを詳細に分析することをPeridynamicsで実現する。 |